狭い空間で、私の知らない動きをする先生はもう先生じゃなかったし、その下で先生を受け止めてる私も、生徒じゃなかった。
痛かったけれど、それを越えたなにかがあった。
そしてすべてが終わったあと、先生はただひと言『ごめん』と言った。
その、ごめんの理由は聞かなかったけど、私はあえて明るく『別に大丈夫ですよ』と、指先の震えを必死に隠しながらシャツブラウスのボタンを留めた。
子どもだから、と思われたくなった。
だから、大人ぶった。
恋愛経験もないくせに、初めてじゃないフリをした。
ごめんのあと、お前は生徒なのにと言われるのが怖くて、大丈夫だと、続きの言葉を言わせないようにした。
私は先生の弱さにつけこんだ。
そうしないと触れることは許されないから、理性を試すようなことをして、私は先生の温もりを知ったのだ。
もっと嬉しさがあると思ったのに、残ったのは切なさだけ。
切なさと、先生に責任の重さを背負わせただけだった。



