次のバスは、何分に来るんだろう。田舎のこの町では、バスの数はそう多くない。早くて15分後だ。図書館に戻るには短すぎるけれど、ここで過ごすには長い時間。
どうやって過ごすか、一番悩む長さかもしれない。


次に来るバスの時刻をしりたいけれど、困ったことに、時刻表は、いつものあの人の隣にあった。
時刻表がある、あの人がいる方を見ると、あの人はぼうっと空を見上げていた。今日は、緑色のセーターを着ている。緑色のセーターに、黒のスキニーパンツがよく似合っている。
初めてきちんと見たけれど、大学生くらいなのかな。…私が大学生になったなら、こんな同級生ができるんだろうか。
ふと浮かんだ考えにふいに恥ずかしくなって、私はまたうつむいた。


そもそも図書館に通い始めたのは、受験を意識したからだった。漠然と大学に行くのかな、とは思っていたけれど、正直まだよく分からない。
でも、成績は良いに越したことはない。今の私の成績は中の上くらいで、でも周りの子たちも頑張り始めて焦ってきた。
勉強時間を増やしましょう、という担任の言葉にのっとって、従順にも私は図書館に通うことを決めたのだ。