「覚えてたの?」
「中学の時、ダサいストラップカバンに付けてたじゃん」
ダサいは余計だけど、まさか零は覚えていたなんてビックリした。零はなにを思ったのか飲み物代の他に500円玉を出してクジを引こうとしている。
「れ、零ももしかしてクマ好きだったの?」
「んなわけねーだろ。A賞引いてぬいぐるみと交換でお前を一生パシりにしようと思って」
「……なっ」
私の反論を待たずに零はクジを一枚引いた。
紙をめくるとそこには【C賞 マスコットキーホルダー】の文字。
零は「……ちっ」と舌打ちをして、店員さんから青い洋服を着たクマを受け取る。
零の大きな手にすっぽりと持たれているクマがなんだか可愛くて自然と顔がゆるんでしまった。
「パシりにできなくて残念だったね」
「うるせーな」
次は私のお会計の番になり、パンのお金と私も500円玉を用意する。
「あの、クジ1回」
本当はずっと引きたかったクジ。クジ運は悪いほうだけど、やっぱりA賞狙いだ。
箱の一番下のクジを引いて、私は紙をめくる。



