たとえばきみとキスするとか。



授業は男女別+クラス別の合同練習。まずはふたチームに分かれて男子から試合をすることになり、女子たちは体育館の右コートへと集まる。

もちろん、右コートには蓮がいるからだ。


「左のコート、誰も応援いなくて可哀想だね」と、しいちゃんが気にしつつも私たちももちろん右コートにいる。


「莉子はどっちの応援?」

「これで1組を応援したら、さすがに気の毒じゃないかな」

「でも実際、みんな1組でしょ。1組っていうか、蓮くんでしょ」

たしかに女子たちはもう蓮しか見ていない。


試合がはじまると、あちらこちらで蓮を応援する声が響いた。私は自分のクラスも応援しながら、もちろん蓮のことを目で追う。


ドリブルをする姿も、スリーポイントからのシュートも全部完璧で、体育館が歓声で湧く。


……ああ、やっぱり蓮はすごいな。


ずっと傍で見てきたけど、蓮はどんどんカッコよくなっていて、私の特別だったのに、みんなの特別になっていく。

このままだと本当に手が届かないくらい大きな人になってしまうんじゃないかって不安になる。