たとえばきみとキスするとか。






次の日。天気は朝から曇り空だった。

湿気が多くてジメジメしてるせいで髪の毛が言うことをきかない。だからあまり気分はよくなかった。


そして3時間目の休み時間。教室は女子の更衣室になっていてジャージに着替えていると、ガラッと勢いよくドアが開いた。


「ねえ、今日の体育、1組と合同だって!」

情報が早いクラスメイトの女子が興奮気味に叫ぶ。

説明によると体育の鈴木先生が来週から出張のため、授業の予定をズラして1組も次の体育になったらしい。

女子たちが興奮してる理由は、ただひとつ。


「はあ、私も蓮くんと同じクラスがよかったー」

体育館に移動すると、すぐに染谷くんたちとバスケをしてる蓮がいた。うちの女子たちは蓮のジャージ姿を拝むような視線を送り続けている。


……でも、たしかに蓮のジャージって新鮮かも。

デザインは正直ダサいし、体育の時にしか着れないぐらいのレベルなのに、蓮が着るとカッコよく見えてしまうのが不思議だ。

そんなことを考えていると蓮と目が合い、ニコリと笑いかけてくれた。


その瞬間、「きゃー!」と悲鳴のように女子が色めきだって、蓮はそこら辺のアイドルよりも爆発的な威力があるかもしれない。


そのあと、体育の先生のホイッスルの音が響いて、クラスごとに整列した。


3組の男子の列に零はいない。

体育はやっぱり面倒だと、速攻で保健室に逃げていた。