たとえばきみとキスするとか。



「はい。これ」

学校に着いて教室に入ると、すぐにしいちゃんがあるもの〟を渡してくれた。

それは銀色のチェーンに、ブルーのイルカ。
そう、修理に出していたネックレスだった。


「え、早くない?」

予定では一週間って言ってたからもう少し先だとばかり。


「莉子の大切なものだからなるべく早くお願いしますって頼んでおいたの。よかったね。無事に元どおりになって」

「しいちゃん、ありがとう……っ!!」


私は嬉しくて抱きついた。しいちゃんは「もう、朝から元気だなー」と笑っていて、浮き足だっていたものが戻っていく感覚。


私はすぐにネックレスを首につけた。

重さなんてないはずなのに、やっぱり安心できる重みがたしかにあって、手鏡でネックレスを確認すると、自然と顔がほころんだ。


私の大切な、宝物。

きっとネックレスがなかったから、私の心は少しだけ不安定になっていただけ。

だって身につけた途端にあの初恋をした瞬間の気持ちがよみがえってきて、自分が誰を好きなのか再確認させてくれた。