そのあと蓮がお風呂を沸かしてくれて、私は着替えを取りに部屋へと向かった。そしてフェイスタオルと洗顔クリームと下着を抱えて階段を降りようとした時、零が2階へとあがってきた。
階段の幅が狭いため、すれ違うことができずに、私は零が上がりきるのを上で待つ。
ゲームをしてた時もご飯を食べていた時も平気だったのに、やっぱりふたりきりの空間になると私の心臓は妙な動きをしはじめる。
ギシッと階段の音が近くなるにつれて、私は不自然にうつ向いて、零と目を合わせなかった。
そして、零が最後の一段を登りきったタイミングで、私も階段を降りる。
だけど焦りすぎたのかわずかに零の肩に肘がぶつかって、抱えていたタオルや下着を落としてしまった。
「あ……」と慌てて拾ったけれど、もうピンク色の下着は零に見られたあとだった。
「ガキくせーパンツ」
零の言葉に私は怒りよりも恥ずかしさが込み上げる。
たしかにレースでフリフリだし、今時の中学生のほうがもっと大人っぽいものをつけているかもしれない。
でも誰かに見せるわけでもないし、なにより「零には関係ないでしょ!」と、いつもの調子で言いたいのに頭の中は〝あのこと〟でいっぱいだ。



