たとえばきみとキスするとか。



そんなやり取りをしていると、リビングから離れていた蓮が戻ってきた。蓮の部屋から着信音が聞こえて、スマホを取りに2階に行ったことは知ってるけど。

もしかして、女の子からの連絡とか?

まさか、さっき言ってた恋をしたことがある相手?


「なんか染谷が遊ぼうって」

……なんだ、染谷くんか。私は安心してアイスの続きを食べはじめる。


「じゃあ、さっさと出掛けてくれば?」と、零は冷めた言い方を返す。


せっかく蓮と休日を過ごせると思ったのに、ちょっと残念……って、待って。冷静に考えよう。


蓮が出掛けてしまったら、私は零とふたりきり。

絶対些細なことでケンカしそうだし、またイヤな気分になるなら私もいっそのこと出掛ける?

いや、しいちゃんは彼氏とデートだから、休日に遊んでくれる友達はまだしいちゃん以外いない。


「うーん。それなら染谷にうちに来てもらおうか。ちょっと電話してくる」

蓮はそう言って、またリビングを出ていった。


よかった。染谷くんが家に来てくれたら蓮もいるし、零とふたりきりになる可能性もない。

そんな私の心を読むような眼力で、隣から強い視線を感じた。


「明らかにホッとしやがって」

零は食べおわったアイスの棒をゴミ箱に投げ捨てる。