たとえばきみとキスするとか。



現在進行形で聞かなかったのは、やっぱり私が臆病だから。今好きな人がいるなんて知ったら、ショックすぎてこの場で倒れてしまうかもしれない。


「あるよ」

……ドクン。


蓮の答えは早かった。

いつ、誰に?なんて聞けるわけもなく私は「……そう、なんだ」と言うだけで精いっぱい。

蓮のことを近くで見てきたつもりだったけど、蓮が恋をしていた瞬間を私は知らない。


あまり落ち込まないように気丈に振る舞いながら、コンビニへと着いた。


蓮がカゴを持ってくれて、私たちと零のぶんのお弁当を選ぶ。自分のぶんぐらい払うと言ったのに、蓮は「大丈夫だよ」と、すべてのお会計を払ってくれた。

お弁当を温めてもらっている間、レジの横には500円で一回引けるクジがあった。はずれなしで、景品は入口の棚に並べられてある。

いつもならアニメや漫画ばかりなのに、今回は私の好きなクマのもふもふシリーズのクジ。


A賞は大きなぬいぐるみ。B賞はクッション。C賞はマスコットキーホルダー。D賞がメモ帳。E賞がクリアファイル。

どれが当たっても可愛いけど、やっぱりぬいぐるみが一番可愛い……!


「莉子、どうしたの?」

お弁当は温めおわったのに、私はついクジに心を惹かれてしまっている。でも……。


「ううん。早く帰ろう」

私は我慢した。

くまのもふもふシリーズは子ども向けのキャラクターだし、蓮に幼く思われるのがイヤだったから。