たとえばきみとキスするとか。



零のことは、絶対に許すつもりはない。

今まで腹が立つことは山ほどあったけど、今回のことは比べものにならないぐらい私は零への怒りでいっぱいだ。


そのあと晩ごはんを食べ終わり、各々好きなことをするゆるいひととき。雪子おばさんが肌がスベスベになるというバスソルトと入れてくれて、私はこれからお風呂に入るところ。


「莉子」

着替えを取りに2階へとあがる途中で、蓮も階段を登ってきた。

蓮はグレーのスウェットを着ていて、家モードの蓮にはまだ慣れない。


「お風呂?」

「うん。ごめんね。なんか居候の身でいつも早く……」

「はは。べつにいいよ。父さんも俺もテレビとか見はじめちゃうと腰が重くて、いつも遅い時間に入るから」


リビングでは晴彦おじさんが野球にチャンネルを合わせたみたいで、ワーという歓声が響いて聞こえてきた。


「それよりさ」

そんな中で、蓮の唇が動く。


「零となにかあった?」

「え……?」

まさかそんなことを聞かれると思ってなかった私は動揺がバレないように「な、なにもないよ。なんで?」と不自然な作り笑顔を浮かべる。