たとえばきみとキスするとか。




そして昼休みが終わり、5時間目。私の状況を察してしいちゃんから授業はサボろうと言ってくれた。今は誰も利用してないことを確認して、家庭科室に身をひそめている。


「ごめんね。私のせいで授業……」

「いいよ。どうせ面倒だなって思ってたし」

どうやらしいちゃんはバト部の先輩に捕まったあと、部活の方針について色々と語られたらしく、昼食を食べ損ねたとパンを袋から出した。

「食べる?」と半分渡されて、私はメロンパンを受けとる。


「んで、なにがあったの?」

「……零にネックレスを切られたの」

「ネックレス?」

「これ」

いつも制服の下に隠していたから、こうしてしいちゃんに見せるのは初めてだ。

しいちゃんは私の手のひらからネックレスをとって、確認するように伸ばした。


「あ、ここか」

留め具からちょうど小指ぐらいの長さの位置でぷつりと切れてしまっているチェーン。イルカも悲しそうに下を向いているし、ショックすぎてまた涙が瞳に溜まっていく。