たとえばきみとキスするとか。



「だからお前はガキなんだよ」

零がまた私のネックレスを引っ張った。


保健室の時はまだ、力加減に余裕があった。でも今は本当にチェーンが切れてしまうぐらい強い。


「や、やめてよ。なんでこんなことするの?」

私は零の手を両手で掴んで、なんとかネックレスから引き離そうとした。零は軽く右手だけで掴んでいるのに、私がいくら力を入れても顔色ひとつ変えない。


「こんなネックレス、鎖と一緒だな。いつまでもあの日のことばっかりに縛られて、他のことは全然見ようともしない」

「やめて、零っ……」

「本当にムカつくよ、お前」

「やめ――」


ブチッという音とともにネックレスのチェーンは切れて、私の首から離れていく。


「……っ」

まるで心まで切られてしまったかのように痛かった。


「……最低。大嫌いっ……!」

私はネックレスを握りしめたまま零を睨み付けて、その場から走り去った。