「そうやってウジウジしてんのマジでムカつくわ。そんなにこじらせてるなら本人に聞けばいいだろ」
零が勢いのままに炭酸飲料を一気飲みする。そしてぐしゃりと缶を握りつぶした。
「……聞けないよ。片想いって、そういうものなの」
零に片想いのもどかしさなんて分かるはずがない。せっかく分けてもらった五目チャーハンも色々な気持ちが入り交じって、もう喉を通りそうにない。
「じゃあ、お前の好きなタイプは?」
「……へ?」
なぜこの流れで私が質問されたのか分からないけど、零から放たれる〝早く答えろ〟という無言の圧力が半端ない。
「……蓮、みたいな人?」
「具体的に言え」
「うーん。優しくて包容力があって。柔らかく笑うところとか気遣いができるところとか……」
好きなところはたくさんあるのに、言葉にするとなかなか難しい。だけど一番は……。
「このネックレスをくれた時に、蓮が言ってくれた言葉。それを聞いた瞬間に私は胸がドキドキして、これが恋なんだって知ったの」
やっぱりあの時に感じた感情以上のものは、まだ私の中にない。



