今まで蓮に告白した人なんてたくさんいるし、『ちょっといい?』なんて呼び出される瞬間は何度も目撃したことがあったけど、こんな風に告白現場を直接見てしまったのは初めてだった。
女子生徒が予想以上に顔が真っ赤だったこと。
そして蓮が気持ちを受け止めるようにまっすぐ見ていたこと。
その雰囲気と動揺で、私の鼓動が速くなっていく。
ドクン、ドクンと妙な緊張感。
盗み見をするなんて最低なのに、私はふたりから目を逸らせずにいた。
「ごめんなさい」
蓮の返事はシンプルだった。女の子は告白することで精いっぱいだったのかそれ以上の理由を求めることはなく「分かった」と、校舎のほうへと歩いていく。
蓮の前では泣かないと足早に去る後ろ姿が切なくて、私は胸が痛くなる。
片思いの気持ちは私にも分かるし、告白するって相当な勇気だと思う。だけど今、私が考えていることは……。
「アイツが断ってホッとしたんだろ」
零はすぐに私の心を見透かしてしまった。
そう私は蓮が断ったのを見て、女の子が振られたのを見ていた安心した。自分でもイヤな感情だなって思うけど、蓮に彼女ができる瞬間なんて見たくない。
でも、いつかはそんな日がくる。
蓮が恋をして、誰かのものになってしまう時が。
考えるだけでこんなに苦しいのに、もしそんな日が来てしまったら私はどうなってしまうんだろう。
おめでとうなんて言えるはずがないし、幼なじみとしてやっていく自信もない。



