息苦しかった食堂から解放されて、外の空気はとても清々しかった。
待ち合わせ場所だった自販機に行ったけど、しいちゃんがいない。
スマホを確認してみると【ごめん。バド部の先輩に捕まった!】と、謝っているスタンプつきのメッセージが届いていた。
しいちゃんはバドミントン部に所属していて、柔軟な部活に思えるけど実は上下関係はかなり厳しいと言っていた。
捕まったということは、おそらく昼休みの間は戻ってこない。
しいちゃんもいないし、なにも買えなかったし、今日はツイてなさすぎる。
「ぼっちなの、お前」
すると自販機で炭酸飲料を買いながら、零がバカにしたように口をゆるませた。
「ぼっちはそっちでしょ」
言い返したけれど、私の声に覇気はない。だって朝ごはんも食べてないし、お腹の虫がさっきからずっと鳴りっぱなし。
……でも仕方ない。
ダイエットだと思えばいいか。最近、体重増えちゃったし。
「来いよ」
「え?」
「分けてやるから、さっさと歩け」
わけも分からずに零の後について行くと、その足は校舎裏の非常階段の前で止まった。
三階まで続く螺旋状の階段の下には一段高くなっている段差があり、零は慣れたようにコンクリートの上に腰をおろした。
「もしかして零って、いつもここでご飯食べてたの?」
「………」
この無言はイエスだ。これでも付き合いは長いからそれぐらいは分かる。



