たとえばきみとキスするとか。




『もしもし、莉子?今どこにいるの?』

もう雪子おばさんも帰ってきてるだろうし、そろそろ晩ごはんの時間だ。私は泣きそうになりながらも、ここで蓮に甘えることはできないと唇を噛む。


「……も、もう少しで帰るから心配しないで」

「え、ちょ、莉子?」

蓮の声を遮るように私は電話を切った。


早くネックレスを探さないと……。

他はどこを歩いたっけ?あとは、あとは……あ。


最後に水呑場で手を洗ったことを思い出して、私はその場所へと走る。

明かりもなくて、真っ暗だからなにも見えない。


私は手探りで、地面の上を探す。

そして水呑場の下に手を伸ばした瞬間に、私の指になにかが当たった。

ゆっくりと慎重にそれを取ると、華奢なチェーンにイルカがついていて、間違いなく私のネックレスだ。


「よ、よかった……」

私は一気に肩の力が抜けてしまった。