たとえばきみとキスするとか。



今日の体育はグラウンドでハンドボールだった。空は今にも雨が降りそうなのに、どうやら体育館は3年生が使っているそうだ。

男女混合で4チームに分けられて、試合をする。零はもちろん今日も参加していない。

ゴールキーパーを入れた7人の私のチームに、しいちゃんはいない。ランダムに振り分けられたため、離れてしまった。


ハンドボールというあまり馴染みのないスポーツに、女子たちはやる気がない。

得点を入れたりするのは男子だったけど、コート内に突っ立ってるわけにもいかずに、それなりに私は動いた。


そして、終業のチャイムと同時に空からはぽつりぽつりと雨が降ってきた。

「結局、男子ばっかりが盛り上がってたね」

しいちゃんと私はボールを触ったことによって汚れた手をグラウンド近くの水呑場で洗っていた。

「あ、ハンカチ忘れた」と、しいちゃんが濡れた手を下に向けている。


「私、持ってるよ」

ジャージのポケットからハンカチを出して、しいちゃんに貸した。