たとえばきみとキスするとか。



「やっぱり女の子と男の子の発育は違うんだよ」

「莉子は昔から食いしん坊なのにね」

私のアルバムとは違い、蓮や零がたくさん写っていて嬉しい。次のページをめくると、小学校の写真になった。まだあどけない顔だったふたりが、学年が上がるごとにどんどん成長していく。


「あれ?この蓮、珍しく零の洋服着てる」

雪子おばさんの趣味で、昔はよく蓮と零は色違いのものを着ていた。蓮が緑で、零が青。写真に写っているのは蓮なのに、洋服は青だった。


「あー、それ零だよ」 

え……と、私はもう一度写真を見る。だけど髪型や目じりの泣きぼくろは蓮のものだ。


「実は俺たちさ、昔はよくふざけて入れ替わってたんだよ」

蓮の言葉がうまく頭で処理できない。


「入れ替わりって……?」

「今は全然顔は似てなくなっちゃったけど、小学校低学年まではけっこう似てたでしょ?だから俺が零のものを着て、零が俺のものを着たりしてた」

「………」

「得意分野がお互いに違ったから、不得意なものは入れ替わって乗りきったりしてさ。あ、でも莉子の前ではしてないよ」

私の表情を見て、蓮が慌てて弁解する。

入れ替わっていた事実にはビックリしたけれど、この胸のざわめきはそれだけじゃない気がする。だって、だって……。


「でも零はいつも鏡を見て書くから泣きぼくろの位置が反対なんだ。俺は右、この写真は左でしょ?」

写真に写る左側に泣きぼくろがある蓮。だけど、それは入れ替わっている零。


……待って。あの時……。

〝あの日〟の蓮は、どっちに泣きぼくろがあった?