「でも莉子があともう少しでうちから出て行っちゃうのが寂しいな」
そんなことを言ってもらえると思ってなかったから胸がキュンとする。
「ずっと、うちにいればいいのに」
なんだか今日の蓮はいつもと少し違う。
積極的というか、普段以上に私のことをじっと見つめてくるから、私は恥ずかしさでトレーの上のポテトばかりを食べてしまう。
「で、でも一応ご近所さんだし、私が帰ったあとでも行ったり来たりできるでしょ?」
「俺が遊びに行ってもいいの?」
「え?もちろんいいよ?」
むしろなんで今さらそんなことを聞くのだろう。
たしかに成長とともにお互いの家に行くことは少なくなってしまったけど、蓮が来ればうちのお母さんは飛び上がるぐらい喜ぶと思うし。
「でも幼なじみとして、じゃイヤだな……」
蓮が口を開いた瞬間に「三番の番号札をお持ちの方はレジまでお越しください」と店員さんのマイクの声が響いた。
そのせいで、蓮の声が聞こえなかった。
「ごめん。もう一回……」
すると蓮は「ううん。なんでもないよ」と言って、飲み物を飲みはじめた。



