たとえばきみとキスするとか。




「まさか、零とおそろい?」

蓮の声色が急に低いものへと変わった。


「おそろいっていうか、コンビニのクジでたまたま同じものを引いたの」

本当は私も部屋に飾っておこうとしたけど、やっぱりカバンに付けたくなってあの日から付けている。

でも、零が棚に置いておいてくれてたなんて想定外だ。こんなのなんの役にも立たないって、引き出しの奥にでも閉まっていると思ってたのに。


「俺とコンビニ行った時もクジやってた?」

「う、うん」

「なんでやろうって言わなかったの?」

「それは……」


子どもっぽいと思われたくなかったから。蓮の前では背伸びをしたいし、その背中に追い付きたい。

その気持ちは今も変わってないのに、子どもっぽいと自覚しているキーホルダーをカバンにつけてしまった時点で、蓮にどう思われるかよりも、零と引いたクマを付けたいという気持ちが勝ってしまった。

もう、それは私の渦巻いている想いの答えなのかもしれない。


「蓮、私さ……」

前のめりになりがら口を開くと、言葉を遮るように蓮が声を重ねてきた。


「ねえ、週末ふたりきりで出掛けない?」

そう言われて、私は出かかっていた言葉を飲み込んでしまった。


「買い物したいし、たまには付き合ってよ。ね?」

蓮がニコリと笑うから、私は勢いに押されて、つい首を縦に振ってしまった。