たとえばきみとキスするとか。



「ん?なに?」

私がじろじろ見すぎてしまったせいで、柊花が首を傾げていた。


「う、ううん。なんか柊花がお姉さんみたいに見えちゃって」

「えーなにそれ」

やっぱり高校生になると、みんな少しずつ変わっていく。ずっとちんちくりんな自分が置いてけぼりにされているような気分だ。


「莉子は今、彼氏いる?」

運ばれてきたチーズケーキにフォークを入れながら柊花が聞いてきた。


「いないよ」

「え、蓮くんとはまだ付き合ってないの?」

突然、蓮の名前が出てきて私は動揺する。


「ほら、ずっと片想いしてたでしょ?幼なじみだし、仲もよかったから、そろそろそういう関係になってるのかなって期待してたのに」

柊花にはよく蓮のことを相談していた。仲よしのグループの中でも柊花とは気が合って、今のしいちゃんみたいに学校ではいつも一緒にいたから。


「蓮とは……全然そんな関係じゃないよ」

「でも、まだ好きなんでしょ?」

「え?」

「一回好きになった人ってずっと特別っていうかさ、なにをしててもその人のことばっかり考えちゃうよね」


まるで柊花に、そういう人がいるみたいな言い方だった。