※※※
「……えっ!? 何それ! ……その人、レズなんじゃない?」
最近あった静香さんとの出来事を相談してみると、一瞬驚いた顔を見せた香澄。
「やっぱり、そうなのかな……」
『男の人は好きじゃない』と、そうハッキリと言葉にしていた静香さんを思い返す。
「……で、どうするの? 家出るの?」
「う〜ん……。別に、偏見がある訳じゃないし。静香さん、良い人だから……」
「あのねぇ……、わかってる? 人の指舐めて何度も名前呼ぶって、異常だからね!? 真紀、絶対狙われてるから! ……家賃3万が惜しいのはわかるけどさぁ〜」
私の言葉に急に怒り出した香澄は、最後には呆れたような顔をすると大きく溜息を吐いた。
確かに、香澄の言う通りあの時の静香さんは異常だった。
ピチャピチャと音を鳴らして指を舐めながら、私の名前を何度も呼んでいた静香さん。あの異常な光景は、私の脳裏に焼き付いて離れない。
静香さんの色香にドキリとし——それ以上に、恐ろしさで背筋がゾクリとしたのを覚えている。
それでも、やはり家賃3万はとても魅力的だった。
(そもそも、あそこを出たら住む家がなくなっちゃうし……)
黙ったまま俯いていると、そんな私を見た香澄が小さく溜息を吐いた。
「……ごめん。出たくても、もう出れないんだよね。私も、同棲してなかったら泊めてあげれたんだけど……」
「ううん、ありがとう。頑張ってお金貯めて……1人暮らしするよ」
「まだまだ、先になりそうだね」
「……うん」
「話しぐらいなら、いつでも聞くから。何もできないかもしれないけど……、困ったら言ってね?」
「うん、ありがとう」
心配そうな顔を見せる香澄に向けて小さく微笑むと、私は目の前のロッカーを閉じると鍵をかけた。
「……えっ!? 何それ! ……その人、レズなんじゃない?」
最近あった静香さんとの出来事を相談してみると、一瞬驚いた顔を見せた香澄。
「やっぱり、そうなのかな……」
『男の人は好きじゃない』と、そうハッキリと言葉にしていた静香さんを思い返す。
「……で、どうするの? 家出るの?」
「う〜ん……。別に、偏見がある訳じゃないし。静香さん、良い人だから……」
「あのねぇ……、わかってる? 人の指舐めて何度も名前呼ぶって、異常だからね!? 真紀、絶対狙われてるから! ……家賃3万が惜しいのはわかるけどさぁ〜」
私の言葉に急に怒り出した香澄は、最後には呆れたような顔をすると大きく溜息を吐いた。
確かに、香澄の言う通りあの時の静香さんは異常だった。
ピチャピチャと音を鳴らして指を舐めながら、私の名前を何度も呼んでいた静香さん。あの異常な光景は、私の脳裏に焼き付いて離れない。
静香さんの色香にドキリとし——それ以上に、恐ろしさで背筋がゾクリとしたのを覚えている。
それでも、やはり家賃3万はとても魅力的だった。
(そもそも、あそこを出たら住む家がなくなっちゃうし……)
黙ったまま俯いていると、そんな私を見た香澄が小さく溜息を吐いた。
「……ごめん。出たくても、もう出れないんだよね。私も、同棲してなかったら泊めてあげれたんだけど……」
「ううん、ありがとう。頑張ってお金貯めて……1人暮らしするよ」
「まだまだ、先になりそうだね」
「……うん」
「話しぐらいなら、いつでも聞くから。何もできないかもしれないけど……、困ったら言ってね?」
「うん、ありがとう」
心配そうな顔を見せる香澄に向けて小さく微笑むと、私は目の前のロッカーを閉じると鍵をかけた。



