「そんなこと、お前などに言われんでもわかっている」
「我らはその資格を充分に備えている。なにしろ誇り高き上位一族なのだからな」
「さよう。少なくともお前などより、我らの娘の方がよほど当主様にふさわしい」
3人は胸を張って、得意顔で威張り散らした。
「ふーん。じゃ、これはなに?」
そう言ってあたしが胸元から取り出したのは、愛用のスマホ。
初めて見る物体にキョトンとしている連中の目の前で、あたしはスマホを操作して、ひとつの動画を「これ見て」とご披露する。
不思議そうに動画に見入っていた3人の目が大きく見開かれて、顔色がみるみる青ざめた。
それも当然の反応。だってスマホから聞こえてくる音声は……。
『た、頼む絹糸! 我らを守ってくれ!』
『私には妻も子もいるのだ! どうか助けてくれ! いや、どうか助けてください!』
『この通り、この通りです!』
あたしはニンマリ笑ってやった。
そう。これはさっきの、鬼に襲われていたときのあんたらの様子でーす。
絹糸に泣いて縋って頼み込んでる情けないシーンを、バッチリ撮影させてもらいました。
ヤラセは一切なし。完全ドキュメンタリーだよ。
「ほほう? これはこれは」
3人の頭の上からヒョイと画面をのぞき込んだ絹糸が、楽しそうな声を出す。
「我らはその資格を充分に備えている。なにしろ誇り高き上位一族なのだからな」
「さよう。少なくともお前などより、我らの娘の方がよほど当主様にふさわしい」
3人は胸を張って、得意顔で威張り散らした。
「ふーん。じゃ、これはなに?」
そう言ってあたしが胸元から取り出したのは、愛用のスマホ。
初めて見る物体にキョトンとしている連中の目の前で、あたしはスマホを操作して、ひとつの動画を「これ見て」とご披露する。
不思議そうに動画に見入っていた3人の目が大きく見開かれて、顔色がみるみる青ざめた。
それも当然の反応。だってスマホから聞こえてくる音声は……。
『た、頼む絹糸! 我らを守ってくれ!』
『私には妻も子もいるのだ! どうか助けてくれ! いや、どうか助けてください!』
『この通り、この通りです!』
あたしはニンマリ笑ってやった。
そう。これはさっきの、鬼に襲われていたときのあんたらの様子でーす。
絹糸に泣いて縋って頼み込んでる情けないシーンを、バッチリ撮影させてもらいました。
ヤラセは一切なし。完全ドキュメンタリーだよ。
「ほほう? これはこれは」
3人の頭の上からヒョイと画面をのぞき込んだ絹糸が、楽しそうな声を出す。


