そうして彼の弱みを握って、自分たちの言う通りに操ろうとしているんだろう。
「…………」
門川君は押し黙ったまま、なにも答えない。
実際、周り中からどんなに反対されてもしま子を異界に戻さなかったのは本当だし、今回の騒動の原因は、あたしが正門を開けたせいだから。
言い返す材料がないんだ。
絶好のチャンスを手に入れた3人はますます調子に乗った様子で、顔を突き合わせてヒソヒソと相談し始めた。
「しかしまあ、だからといって事を荒立てては、天内の娘を神の一族から追放するということになりかねんな」
「うむ。それは現世という行き場を失くした哀れな娘にとって、あまりにむごい仕打ちであろう」
「我らは常に当主様の忠実なるしもべだ。なんとかしてお味方をせねば」
「でも、どうやって長老の方々を説得するのだ? 我らにそのような強い発言力はないぞ?」
「簡単だ。当主様に、我らの娘のだれかひとりを正妻に娶ってもらうのだ。そうすれば絶大な発言力を持つことができる」
「おお! なるほど!」
「同時に我らを、当主様の側近に引き立ててもらうのだ。そうすればいつもお側でお守りすることができるではないか」
「それは妙案! いや、まったく考えつかなかった!」
「さっそく当主様にご提案申し上げよう!」
「…………」
門川君は押し黙ったまま、なにも答えない。
実際、周り中からどんなに反対されてもしま子を異界に戻さなかったのは本当だし、今回の騒動の原因は、あたしが正門を開けたせいだから。
言い返す材料がないんだ。
絶好のチャンスを手に入れた3人はますます調子に乗った様子で、顔を突き合わせてヒソヒソと相談し始めた。
「しかしまあ、だからといって事を荒立てては、天内の娘を神の一族から追放するということになりかねんな」
「うむ。それは現世という行き場を失くした哀れな娘にとって、あまりにむごい仕打ちであろう」
「我らは常に当主様の忠実なるしもべだ。なんとかしてお味方をせねば」
「でも、どうやって長老の方々を説得するのだ? 我らにそのような強い発言力はないぞ?」
「簡単だ。当主様に、我らの娘のだれかひとりを正妻に娶ってもらうのだ。そうすれば絶大な発言力を持つことができる」
「おお! なるほど!」
「同時に我らを、当主様の側近に引き立ててもらうのだ。そうすればいつもお側でお守りすることができるではないか」
「それは妙案! いや、まったく考えつかなかった!」
「さっそく当主様にご提案申し上げよう!」


