私は少し、気まずかった。
冗談とはいえ、カタツムリの絵を描いてしまったことが。

なので机に少し伏せて、気づかないフリをしていた。










『はな・・さん』


顔を上げると、I君が机の前に立っていた。


やばい、怒られる!
でも、カタツムリの呪いなんてあるわけないし。
私はただ絵を描いただけだし・・・


頭の中でぐるぐると言い訳を考えていると、
I君が突然、頭を下げた。




『今までいろいろ、ごめん!!だから、もう、、俺の机にカタツムリの絵を描かないで!』


「え?!あ、あの、、私も落書きしてごめんね」



『あ~~!!僕の机にももう描いちゃダメだよ~~!!』


N君が間に入ってきたので、みんなもアハハと和やかな雰囲気になった。

I君だけは、まだ強張った表情のままだった。









そしてクラスにはその後、


【机にカタツムリを描くの禁止令】が出された。