春の爽やかな気候は 瞬く間に立ち去って 天気予報では、 今年は例年より 早く梅雨入りしそうだと、 気象予報士が告げ始めた6月。 今日も空は曇天で、 夏服のシャツでさえ この湿気で、肌に張り付いてくる。 「不快指数とは、よく言ったもんだ……」 あと10分程で、 昼休みが終わることを告げる チャイムが鳴る。 「次の授業は、なんだったっけ……?」 屋上の給水タンクの上で 寝転びながら 灰色の空に吸い込まれていく紫煙を、 ぼーっと見ながら 恭弥は、ボソッと呟いた。