消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。




説明する時に分かりやすいから使っているだけだという。


僕にしてみたらあまり大差ないと思うけど、それはごく普通の一般人としての意見に過ぎないんだろうか。



それよりも、気になっていたことがあった。


「畑中さんが僕より先に来るのは、やっぱり覚えてないから?」


しまった、直球過ぎたか…。


だけど彼女はさして気にしていない様子で頷いた。


「うん。気付かないうちに通り過ぎるのが申し訳なくて。だったら最初から指定の場所にいれば向こうから声をかけてくれるでしょ?
そうしたらお互いに嫌な思いしなくて済むから」


なるほど…。



「それは、会う前にスケッチブックを見直しても変わらない?」


「うーん……あのスケッチブック自体、忠実とは言えないし…。
正直ね、いざ描こうと思い出そうとするほど、記憶とズレがあって辛かった。
だからあんまりアテにならないことは分かってたんだけど、それでも可能性はあるかもしれないって思ったら期待しちゃうんだよね」


それでいつも持ち歩いていたのか。