【完】溺れるほどに愛してあげる




「週末泊まりに来ませんか!」





亮くんがそう言い出したのは7月初旬、もうすっかり夏の暑さを思い出し始めた頃。


屋上を通る風も熱風になって、それでもお昼休みを過ごす場所は変わらない。





「泊まりって家の人は?」





あたしも変わらずこの時間はここに来るようになっていた。



まるでみんなと仲間になれた…みたいな。そんな雰囲気が味わえる。





「みんな家族旅行でいないんすよ」





嬉しそうに話すけど…亮くんは行かなくてよかったの?


それに、"みんな"って7人もいるのに…





「亮の家は結構デカいからみんな泊まれるんだよ」

「へぇ〜…いいな、楽しそう」





なんか…あたしよりも青春してる気がするのは何故だろう。


あたしだってお泊まり会とかしたことないのに…


金田は亮くんの家に行ったことある…みたいな言い方だし。


いいな、楽しそうだな。





「何言ってるんすか!優愛さんも来てくださいよ!!」

「え、あたしもいいの?」





仲間水入らずのお泊まり会に…あたしも参加していいの!?





「もう仲間みたいなもんだからな」

「い、行きたい!嬉しい…」





優しく笑いかけてくれる金田に、胸がきゅんきゅんと高鳴る。


ずるいなぁ…何気ない一言でこんなに嬉しくさせるんだもん。


それに、仲間って。仲間って言ってもらえた…!





「笑いすぎ」

「えぇっ?」

「そんなに嬉しいの?」





そりゃ嬉しいよ。



だってあたしの好きな人に、仲間って認められたんだもん。


1回はうざいって思われたけど…でも今は違う。



他のどんな女の子より近い場所にいられる。


それがとっても嬉しいんだよ。



貴方にはわからないと思うけど!