「ね、ねぇ…あたしはまだ理解できてないんですけど…?」
「だろうね」
ふふふ、と楽しそうに笑う。
何がそんなに楽しいのか…
「え、説明なし?」
「もう終わったし」
終わったかもしれないけど、あたしの中ではまだ終わってないよ!
だって、付き合ってるなんて…
「あの人絶対勘違いしてるよ?」
「させたかったから期待通り」
御満悦な表情を浮かべる。
さっきから金田、楽しそうだな…
なんだかあたしも隣で楽しくなるよ。
…でもさ
「噂とか立っちゃうかもしれないし…」
「言いたいやつには言わせておけば?」
そ、そんな…
絶対教室とかでいいネタじゃん…
ただでさえ
城崎が金田 千景を体育祭に誘ってる!
って話題でも持ち切りだったのに…
…だけどどこか嬉しがってる自分がいる。
だって好きな人と付き合ってるって言われるんだもん。嬉しいよ?
「俺は否定も肯定しないよ」
「…え?」
どうして否定しないの…?
そんなの、あたしに都合のいい解釈しかできないよ。
金田もあたしのことを…なんて。
ありえないこと。
…でも、もしかしたらありえないことじゃないって…少しだけ期待してみてもいいのかな?