混乱する頭で外を眺めると、そこは見たことのあるような景色が広がっていた。 「………え、今…冬…じゃ」 昨日まで降っていたのは間違いなく雪だった。 真っ白で、冷たくて。 こんな、温かな桃色ではなかったはずだ。 「…どういう」 「那知!!入学式遅刻するわよ!」 勢いよく開いたドアと信じられない言葉。 「…は?入学式…って?」 「何寝ぼけてるの?今日は高校の入学式でしょう?」