リビングも、白と黒を基調とした部屋だった。
それはオシャレというより、何だか殺風景で。
ここでの暮らしを充実させようという気持ちが少しも感じられない部屋。
整理整頓されすぎていて、まるで、引っ越してから一度も触れていないような気さえした。
こんないい部屋なのに、どうしてこんなにも寂しいんだろう...。
「風呂はそっち。トイレはあっち。洗面台は向こう。好きなように使っていい」
「それはありがたいけど...本当にここに住んでいいの?
綺麗すぎて、散らかすのが怖いんだけど」
「好きなだけ散らかせよ。週に一度、掃除代行の人が来るから」
あぁ...。
なるほど、それでこんなに綺麗なんだ。
カーペットにも棚の上にもホコリひとつ見当たらない理由はそれか。
「掃除代行だなんて、随分と贅沢なことするんだね。見かけによらず掃除が苦手とか?」
「親が勝手に手配するんだよ。
ここも、親の金で買った部屋だし」
「へぇ。仕事は何してんの?」
「...今の財務大臣、南って奴だろ。
そいつが俺の父親」
財務大臣の南?
たしかに、いる。
年のわりにダンディーでイケメンってウワサされてるあの人だよね?
その人は知ってるけど...
「あの人って子供いなくない?」
「だーかーらー、隠し子なんだよ、俺」
「隠し子!?何で...!?」
「知らね。財務大臣の子供がこの髪と目だと、世間体に響くからじゃねーの?」
「...まさかそれ、地毛で裸眼?」
「当たり前だろ。
こんな色に染めるとか、そんな趣味悪いことしねーよ」
てっきり染めてるのかと思ってた。
目もカラコンだとばかり...。
素でそういう色なら、違和感がまるでないのは当たり前だね。


