それ以降不機嫌モードになってしまった歩には、話しかけても無視されてしまった。
いつから好きなのかは分からずじまい。
つまんないの...。
机に座って足をブラブラさせながら、携帯で音楽を聴く。
静かになったときに考えるのは...やっぱり蓮央のこと。
この間言ってた『元カノ』についてのことが頭から離れない。
どうしても気になる。
心がモヤモヤうねうねして、どうも落ち着かない。
何だろ、この気持ち...。
体調でも悪いのかなぁ。
帰ったら体温測ってみるかな。
...と、そんなことを考えていると。
「お邪魔しまーすっ!!」
そんな声とともに、教室のドアが開いた。
見ると、変な男たちがたくさん立っている。
うわぁ...
こいつら、【桜蘭】の奴らじゃん。
男たちは私を見るなり、顔を歪めた。
「うっわ!!何で裏切り者がいんだよ!!」
「はぁ!?くっそ邪魔なんだけど!!」
「マジでうぜぇ。出てけよ!!」
あーあー、寄ってたかってうるさいなぁ。
何でそんなに偉そうなんだろう。
すごくムカつくけど、出てってほしいならそうしてあげるよ。
絡まれるのはゴメンだからね。
仕方なく、机から降りて歩きだそうとすると。
「...うっせーな」
不機嫌な声が、私の足を止めた。
これは、歩の声...?


