ご飯は皆が揃ったら。




やっぱり高校生かあ、と思う反面、この学校って意外に規則ゆるいんだろうかと気になる。
外見で判断するのはよくないけど(素直そうだし)環くんもこんなチャラチャラしてたらちょっとなあ。

「野球部ですか?」
「いや、俺は・・・サッカーっす、元、だけど」

おっと、脳内に『何かの事情で部活をやめて道を外しだした少年』のイメージが・・・。

余計な想像が広がる前に「そうなんですね」と返し、未だ開いたままだった背後の引き出しをしめた。
きょとんとする透くんに「掃除しようと思って開けたとこだったんですよ」と告げて。

「手持無沙汰で困ってるんです。環くんが帰ってくるまで、何かあれば言ってください。洗濯とか、溜まってるならやりますよ」
「えっ、マジで?・・・あ、えと、お願いしていいすか」
「別に敬語じゃなくていいですよ、これから働かせてもらうんだし」
「・・・じゃあ頼む」

へらっと急に表情を崩す姿は環くんにもどこか似てて、根は素直な子なんだろうと思わせた。