あ、こっちが気を回せ、的な感じ?
相手は思春期の学生、寮母といえどそう年頃の変わらないあたしに下着を見られるのは確かに抵抗あるかもね。
「あまりに甘やかしすぎると将来苦労しちゃいますから。自立も兼ねた意味でうまくやってましたね」
「そっか・・・そこまで考えられて。皆のお母さんみたいな感じだったんですね」
「そうですね、さっぱりしてましたが悩んでる時はいち早く見抜いて励ます人でした。皆とも関係も良好だった分、抜けた穴はいろんな意味で大きいんですよ」
うわ、ちょっとプレッシャー。
久野さんはそんな意味で言ったんじゃないだろうけど、こりゃしばらくは比べられそうだな。
「特に高校組はとても慕ってましたから。あとここの寮生、不思議なことに、示し合わせたかのように全員めちゃくちゃ朝に弱いんです」
「えっ」
「特に大学組は手強いですよ。各自の起床時間を毎日把握して、起こして送り出すのも西崎さんの仕事・・・ていうかそれがメインかもしれません」
「それ、皆さんの部屋に入るってことでしょうか?」
「鍵はついてないので出入りできますから」
下着は隠しても寝顔はオッケーって?
まあ、あたしもそれなりに経験してきた大人だし、男子が無防備に眠る姿を見て何かを思う程の恥じらいもない。
寮生が了解してくれるならなんでもやろう、あたしはここでお給料を頂く身となるのだから。

