2人は木刀を持ち向かい合った。
そうすると自然と二人の間に漂う空気がガラリと変わった。
息をするのも躊躇うくらいの緊迫した雰囲気が肌を刺す。
アテン「じゃあ、行くぞ。」
クヌム「あぁ。」
2人は同時に地を蹴った。
アテンが木刀を振り下ろせば、クヌムさんが振り下ろされる木刀を受け止める。
クヌムさんが木刀を振り下ろせば、アテンが受け止める。
その繰り返しが続く。
真凛奈「すご……。」
すると、何がどうなったのか分からないけど、アテンの木刀の切先がクヌムさんの喉元にあった。
アテン「俺の勝ちだな。」
クヌム「参りました。」
……王国騎士団ってこんなにも強いんだ。
考えてみれば、私はまともにアテンやクヌムさんが戦っている姿を見たことがなかった。
……まぁ、私が倒してたからなんだけど。


