テストとはいえ、これも1種の〝戦い〟という状況だからか、興奮しつつも動けないみんな。
それもそうだ。
人を相手にした実戦はみんな初めて。
お互いの出方をうかがっている。
そんな中...
「誰もやらないなら、こっちからいくよ?」
ふわふわヘアーを揺らしながら一歩前に進み出たのは、ライト。
手を開いたり閉じたりしながら体操している。
そんなライトの様子に苛立ったのか、ヒーロー組から1人の男子が進み出た。
「お前に出来んのか?
女みたいで弱そうな顔してるくせによ」
「...ふーん。その言葉、多分後悔するよ?」
「はっ、やってみろよ」
「じゃあ遠慮なく。...ゼン!!」
ライトの瞳がこっちを向く。
呼ばれたゼンは頷くと、あたしにウインクをしてからライトのもとへ走っていった。
...案の定、女子の皆さんの厳しい視線が突き刺さる。
いつも思うけど、なんであたしが被害こうむるんだろう。
別にお願いしてやってもらったわけじゃないんですけど...。


