「あ、ゼン!!やっと見つけた!!」
人混みの中からライトが走ってくる。
この2人って一心同体なのかな?
いつも一緒にいるような?
「もー、いきなり居なくなるからびっくりしたじゃん」
「悪い。リリーと話してた」
それを聞き、ますます不機嫌な顔であたしを見るライト。
イライラマックスって感じだ...。
「キミ、魔法使えないんでしょ?」
「え...」
「お願いだから僕らの邪魔にならないようにしてよね。キミを巻き込んじゃったら、怒られるのは僕なんだから。
くーれーぐーれーも、足でまといにならないように端に寄っててくれる?」
「あ...ハイ...」
返事をすると、それまでぷりぷり怒っていたライトが、なぜかキョトンとした可愛い顔であたしを見た。
え、あたし、今の会話で何か変なこと言ったっけ?
「...キミ、今、ハイって言った?」
「い、言ったけど...?」
「何も言い返さないんだね。何で?」
「何でって...。本当のことだなって思ったから」
「ふーん...。まぁいいや。
ゼン、始まったらちゃんと僕のところ来てよね!」
ジーッとあたしの目を見たあと、ライトはそう言い残して人混みの中へ消えていった。
今のは何だったんだろう...?
『えー、では改めてルール説明だ。
今から諸君に〝ライフ〟を与える。それがこのテストにおける諸君の命の限界値だ』
またもや校長の声。
もはや『校長先生』だなんて敬う必要ナシ。
隣に立つゼンの頭の上に、紫色のゲージが現れる。
これがライフかな...?
きっとあたしの頭の上にもあるんだろう。


