全員が出たのを確認し、通路の扉は閉まった。
駆け寄ったけど、叩いても開かない。
きゃー!!!
ちょっと!!
あたし、今すぐここから出たいんですけど!?
ていうか、何でみんなそんなに興奮できるの!?
死ぬかもしれないんだよ!?
もしかしてMなの!?
それもドM!?
だけどあたしはノーマル!!
死にたくなーい!!!
ここから出せぇー!!!
扉を叩きまくるあたしの手を、誰かがつかむ。
ゼンだった。
「リリー、そんなことしてる場合じゃないぞ」
「そんなことって何!?
あたし、出なきゃ死んじゃうのに!!」
「無理だ。
このゲートはテストが終わるまで開かない」
「じゃあ校長先生に直訴する!!」
「それも無理。見てみろよ、アイツの顔」
アイツって、校長先生...?
ゼンが指さした方角を見ると、ニコニコと人の良い笑顔を浮かべながらガッツポーズをしている校長先生が観客席の中にいた。
口パクで何かを言っている。
が...
『が』『ん』『ば』『れ』?
...はああっ!!?
「ちょっ、校長先生!?何で!?」
「分かんねーけど、アイツは普通に受けさせるつもりなんじゃない?
助けを求めても無駄だと思うよ」
いや、あのね?
分かってますか?
これは、
苦手だから受けな〜い☆
とか言ってるわけじゃないんですよ。
あたしの命がかかってるんですよ。
なのに何で助けてくれないの!?
ここは本当に学校ですか!?


