不安を抱えながら先へ進むと、先生の言った通り、大きくて立派なスタジアムがあった。
円状に並べられた観客席の中に、砂の広場が広がっている。
屋根はない。
中等学校の校庭の4倍の広さはありそう...。
『スタジアム内に入って並び、指示を待つように』という先生の言葉通り、くらい通路を通ってスタジアムへ入る。
どうやら通路とスタジアムの広場の間には扉があるらしく、そこで止まった。
一体どんなテストなんだろう...。
「何だか緊張するわね、リリアン」
「うん。だけど、あたしも参加していいのかな?」
「魔法のこと?
でも先生は何も言わなかったし、普通に参加しても大丈夫じゃないかしら?」
「うーん...そうだね」
もし、魔法を使ってみせろ!!
...っていうテストだったら、即やめよう。
あたしには無理ですって言って。
『──生徒の諸君。これより能力テストを始める』
スタジアム内のスピーカーから、校長先生らしき声が響いてきた。
騒がしかった通路内が静まる。


