「ゼンはテストがどんなものか分かるの?」
「まぁ、大体は。
これは一筋縄ではいかなそうだね」
「そ、そんなに難しいやつ...?」
それだと困るんだけど。
そもそもあたし、魔法使えないから!!
どうやって受けろと!?
軽くパニック状態のあたしに気付いたのか、ゼンはあたしを安心させるようにニッコリ微笑んだ。
「大丈夫だよ。
何かあったら、俺がリリーを守るから」
「キャーッ!!!ゼン様ぁぁ!!!」
会話を聞いていたらしい女子たちの黄色い声が四方八方から聞こえる。
やっぱり人気者なんだね...。
かと思えば、そのあとに聞こえてくるのは、
何なのよあの子。
ゼン様に媚び売っちゃって、ムカつく。
か弱いアピールしてるのかしら。
大して可愛くもないくせに。
...という文句。
ははは...
だいぶ嫌われてますね、あたし。


