「あーあ。何でわざわざ助けたの?
転ばせておけばよかったのに」




ゼンの後ろから顔を出したライトが唇を尖らせる。


その頭をすぐさまゼンが叩いた。




「女の子に何てこと言うんだよ、バカ。
傷が残ったら大変だろーが」


「僕は女なんか興味無いから別にいいもん」


「お前は良くても俺がダメなんだよ。
リリー、ごめんな?こいつ女の子が苦手でさ」




...うん。


見てればっていうか、聞いてれば分かります。


ていうか苦手の域を越えて、もはや嫌いだよね?



昨日だって『女のキミに聞くとか...』って言われたし。



あたしに対する敵対心がすごい。


まるで警戒してるネコみたい...。


今にも爪で引っかかれそうだもん。



ほら今だってあたしの顔をすごい形相で見て...。




「あーっ!!」




突然、ライトが大声を出した。



あたしもゼンもクレアもびっくり。