説明すると、ナナは戸惑いながらも理解してくれた。


魔法が使えないなんて初めて会っただろうなぁ...。


ていうかあたし、人に会うたびこの説明をしないといけないのかな。


同じこと言いすぎて、口にタコができちゃうよ



苦笑いしていると、ナナは不思議そうに首を傾げた。




「でも、変よ。
リリアンからは魔法の力を感じるのに」


「...え?」


「王家の血を継ぐ人間は、人の魔力の強さを感じ取ることが出来るの。属性まではわからないけどね。
ナナからはとても強く感じるのに...まさか使えないなんて、こんなことあるのね」




あたしから魔力が感じられる?


何も出来ないあたしなのに?




「ナナ...それ、本当?」


「本当よ。だから不思議だって言ってるの」




たしかに不思議。


でも、あたしが能力ナシなのは間違いないと思う。


どんなに気合を込めても、水滴ひとつすら動かせないし。


まさかまだチカラが眠ってるだけとか?


15歳にもなって?



...ありえない。


どんなに遅くても7歳までには開花するって、どこかの偉い学者が言ってた気がするもん。



だからあたしには魔力がない...はず。




「まぁ、悩んでも仕方ないわ。分からないものは分からないんだし。
それより明日の準備をしなくちゃね」


「あ...うん!」




ナナの言葉はちょっと引っかかるけど、まぁいっか。


あたしにチカラなんてあるわけないんだから、期待しても無駄だし。



それよりも明日から始まる授業についていけるかが心配。



筆記試験もあるし、実践もあるし。



はぁ。


不安しかないよ...。




どうか、生きて卒業できますように...。