生まれは普通。


だけど5歳になって、同い年の子たちが魔法を使い始めても、あたしは何ひとつ出来ず。


最初のうちは、覚醒が遅れてるのかと思われたらしい。



でも15歳になった今も変化は無し。


普通なら魔法で出来る掃除や洗濯、料理、花壇の世話も、ぜーんぶ自力でやらなければいけない毎日。



でも困るのはそれだけじゃない。



この国では、魔法が使えることが絶対条件。


ていうかそれが普通。



だから、6歳から通える初等学校の小テストも魔法テストだし、中等学校のテストも魔法。


それが出来なければ成績のつけようがない。



だからあたしみたいな例外は、昔から『特別扱い』されてきた。


良い意味なんかじゃない『特別扱い』。



みんなが魔法テストしている間に1人で筆記試験を受けてなんとか卒業資格を得てきた。


でもやっぱり魔法が使えないということの障害は大きくて。


どんなに頑張っても成績はボロボロ。


おかげでレベルの低い高等学校しか入れないことになってしまった。




だけど、つい先ほど、それも落ちた。


原因は多分、魔法が使えないこと。





あたしの人生、終了のお知らせ...。