「お前にも迷惑がかかる」





確かにそうだ。

遠藤先生が漢マンだとバレたら、妻の私まで変態扱いだ。

でも……それくらい、どうでもいい。

桃尻先生とイチャつかれるくらいなら、変態だと思われたほうがマシだ。





遠藤先生は切なげに私を見た。

そんな彼を、相変わらず冷たい瞳で見てやる。

かつては病棟一の暴れん坊と恐れられた遠藤先生と私は、その立場が逆転してしまったみたいだ。




「それでも俺は、あの女にビシッと言ってやることを決めた。

もうお前が苦しむのを見たくないから。

俺には、お前しかいねぇんだ」





漢マンのくせに、なに言ってんの?なんてこと、言えなかった。

落ち着いて落ち着いてと言い聞かせるが、胸はきゅんきゅんと甘い音を立てて止まない。