「これは……」

「二人の忘れ物です。和泉さん、いろいろと納得出来て無いですよね。だからこれを持って、二人に会って来てください」


 二人と駅前で待ち合わせをしているという。本当は湯田さんが行く予定だったけど、それを私に……


「……行ってきます!」


 どうしてわざわざ私に頼んだのか、湯田さんの意図は分からない。だけど、面と向かって話せればまだ二人は帰って来てくれるかもしれない。

 そんな想いと封筒を胸に抱え、私は事務室を飛び出した。