「――じゃあ、今日はココまで」



長い長い授業が終り、私の隣の席がザワザワトし始める休み時間。



「ねぇ彼方ぁ、今日ねお弁当作ったから一緒にたべよぉ」



「あ、ずるーい!!」



夜木君を取り囲む女子たちの甘ったるい声を無視し、机に伏せる。



彼は人気者だ。私と正反対に存在感があり、人が自然と集まる。明るい性格で、甘いルックス。女子が集まらないわけない。


ドンッと机に誰かがぶつかり、伏せっていた私は飛び起きた。



ぶつかった子は、気にする様子もなく私も!!私も!!と声を上げていた。



さすがに、酷いは……。



そう思いながら、机を少しずらしまた伏せった。



透明な私は誰にも見つかることない。



クラス全体のイジメなんてものではない。無視されているわけでもない。声をかければ多少なりとも驚かれはするが、返事はしてもらえるし会話もする。



ただただ、存在感がないのだ私は。