「俺の所為で、怖い思いさせたのに助けられなくてごめん。これからは守るって約束する。大事にするから、俺と付き合ってください」



『……透明人間ですけど、いいですか??』



グニッと頬を引っ張られる。彼は怒ったのかムっとしていた。



「透明人間って自分で言うの禁止。透明だろうが何だろうが、俺は見つけるよ絶対。だから安心して」



『……ありがと』



「それで、返事は??」



『さっき言ったんですが』



「それとこれとは別じゃない??」



『……』



「……ねぇ、言ってよ椎名」



ボボッと頬が熱くなる。ここで下の名前を呼ぶのは反則でしょ!!



「ねぇ、言って」



耳元に彼いの息がかかりビクッと肩をふるわせた。



『……よろしくお願いします』



フワッと微笑むと顎に手を添えられ、もう一度唇が触れ合う。一瞬の触れるキスが、とてつもなく長く感じた。



長い夢のような、そんな心地の中目を閉じた。