ーーーーガシッ



誰かが、動いた。


その早さは並みじゃなく、だけど的確に奴を捉えた。


奴の腕を掴み、トン、と凛の背中を押すのは光龍総長。


無茶な奴……。


「きゃっ!!」



駆け寄る俺より先に、抱き止めたのは俺じゃない。


「大丈夫、凛ちゃん」



「ありがとう、隼人くん」


隼人……。

たしか、光龍の副総長。


ああ、なるほど。



コイツら、みんな凛が好きだな。