「ごめんな、巻き込んで」


俺のせいで、君を巻き込んで今こうして逃げてる。


逃げることしか君を守れない。



戦いを君には見せられない。


俺の荒っぽい姿、好きな奴には見せたくない。


臆病者なんだ。



「大丈夫、私が好きな頼くんだから」



君は本当に優しい。



きっと怖いはずなのに、弱音を言わない。


「絶対に守るよ。


校舎まで、もうすぐだから頑張れ」



校舎が見えてきた。



大丈夫ーーーすぐそこだ!!



君の手を引いて走る……寸前。



君の温もりが俺の手の中にないのに、気付いた。



えっーーー?



離された手。


振り向いて、唖然とした。




「凛ーーー?」







アイツらに捕まってる凛がいた。