「でも!」
「あははっ」
反論しようとした優羽に、茶髪の子が、笑い声を上げた。
「分かった。あんたさぁ、このお兄さんのことが好きなんでしょ?分かるよ、イケメンだもんねぇ…
だから自分に構ってくれないのに、アタシたちとはしゃべってるから悔しいんじゃない?」
「あは、そっかー。この子なんか地味だもんねー。
……ってか、じゃあ身の程知れよ、って感じ?」
最後のところはボソリと小さな声で付け足していた
彼女たちの好き勝手言うのを聞きながら、優羽は自分の行動に強い後悔を覚え始める。
だけど、後戻りはできない。
「身の程を知らなきゃいけないのは、あなたたちでしょ?」
「は…?」
「どうして、周りを見ることができないんですか?あなたたちは自分のことしか見えていないでしょ」
「何言ってるの、あんた」
ほおづえをついたまま、茶髪の子は訝しげに周りを見る。
そして──
「っ!」